以前コメント欄にこんな質問が寄せられました。
という訳でこの質問に答えると同時に、今回は久しぶりにハートレスについての記事を書こうと思います!
①心なき召喚を知る
まずハートレスの根幹カード、心なき召喚について。
まあ効果については大体の方がご存じだとは思いますが。2マナという軽さで、クリーチャー呪文をどれだけ唱えても無色2マナのコストを減らしてくれるという驚異のエンチャントです!もちろん2マナアーティファクトクリーチャーなどは、0マナで唱えることが可能!
…まあそれだけといううまい話なんであるはずもなく、言うなれば「自分に死の支配の呪いを張った状態」になります。
かなりピーキーなカードなのですが、自分はこのカードにほれ込み、イニストラードが出てからすぐにこのカードを使った青黒ハートレスデッキ、「ハートレスヤマデーモン」を作ってミラディンの傷跡ブロックが落ちるまで使い続けました。
数々の大会で優勝して総合勝率7割超えを果たしただけでなく、WMCQベスト8という結果を残したり、SCGやCHANNEL FIREBALLで紹介されたりと、自分のオリジナルデッキとしては色々な記録を残しました。それだけにハートレスについては少しうるさいです…!
②心なき召喚のメリット・デメリット
心なき召喚のメリット・デメリットを簡潔にあげると、
メリット
・クリーチャーを単純計算で2ターン早く出せる
・クリーチャーそれぞれコストが減るので、連続展開しやすくなる
・早ければ2ターン目から置くことができる
・エンチャントなので割られにくい
・能力には基本影響がない
・2枚目以降も場合によっては腐らない
デメリット
・自軍クリーチャーが全部弱体化する
・↑によってタフ1クリーチャーがほとんど使えない
・デッキの構成が重くなりがちになり、構築が難しい
・張れるとき、張れないときの動きがかなり違う
・色マナは軽減できない
・後半や2枚目以降が腐りやすい
③メリット・デメリットの解説
それぞれ同じ数ぐらいありますが、解説を。まずメリット。
・クリーチャーを単純計算で2ターン早く出せる
・クリーチャーそれぞれコストが減るので、連続展開しやすくなる
これについては言わずもがな、ハートレスの特権ですね。3ターン目に5マナ、4ターン目に6マナ…とクリーチャーが出せるだけで普通に強いですし、3ターン目3マナと4マナなどと、分割して出すことでさらにコストが軽くなります。
うまく展開できた時のハートレスを止めるのは、正直普通のビートダウンを止めるのよりも難しいと思います。
・早ければ2ターン目から置くことができる
・エンチャントなので割られにくい
これも心なき召喚の強いところ。2ターン目という早いターンに置くことができるので隙が少なく、序盤からその恩恵を受けることができます。
そしてエンチャントなので対策してあったり万能除去カードがない限り割られにくいのもいいところです。
・能力には基本影響がない
これも強いところ。いい能力を持ったクリーチャーは一層輝きます。もちろん能力は強いけど重くて使いづらいクリーチャーも使いやすくなるので、クソカードが日の目を見るという面白いことも結構起こります。
・2枚目以降も場合によっては腐らない
デメリットには2枚目以降腐りやすいと書きましたが、禁断の2枚張りということもできます。その時はコスト ー④、P/T -2/-2修正!諸刃の剣です!さすがに3枚張りはターン奪われたときにしかやったことはありませんが。
次はデメリット。
・自軍クリーチャーが全部弱体化する
・↑によってタフ1クリーチャーがほとんど使えない
言わずもがな一番の難点。死の支配の呪いでも基本きついというのに、わざわざ自分から弱体化しに行く様はまさしく狂気の沙汰…!それによりクリーチャートークンを出すカードやP/Tに依存する能力(魂絆、トランプル、先制攻撃など)と相性が悪いです。
タフネス1のクリーチャーは無限マナエンジンのウラブラスクの僧侶、0マナ無色2点ダメージとなる危険なマイアなどの様なよっぽど使える能力を持っていないとほとんど使えない以前に場に出ることすらできません。マナクリや未練ある魂とかもってのほか。
・デッキの構成が重くなりがちになり、構築が難しい
・張れるとき、張れないときの動きがかなり違う
これもハートレスならでは。どうせ使うんだったら重くて強いクリーチャーを使いたいものですが、そればかりだともっさりしすぎてしまいます。そして張れたときは良くても、張れなかったときや割られたときに重いクリーチャーばかり手札にきて悶絶することも多々あります。
それなので、張れなかったときのことも考えてデッキ構築をする必要があり、頭を悩ませるところです。
・色マナは軽減できない
地味にきついです。強力なクリーチャーはシンボルが濃いことが多いので、無色マナが1マナしかなかったり無色マナ?なにそれおいしいのと言いそうな色マナだらけのクリーチャーは恩恵をあまり受けられないばかりか逆に使いにくくなります。
なぜ心なき召喚を出しておきながら、無色マナが必然的に少なくなる多色環境を次に出した…!
・後半や2枚目以降が腐りやすい
メリットでは2枚張りと書きましたが、よほど出したいクリーチャーがいなければやりませんし、さすがに-2/-2修正は厳しいものがあります。なので大体は場に出ていれば腐ります。また、後半十分マナが出て心なき召喚がいらないときにも腐ります。
④ハートレスデッキの組み方
そんなんだったらどうやってデッキ組めばいいんだコノヤロー!と言われそうなので、ハートレスデッキを組むときに考えることを紹介していきます。
・基本心なき召喚は4枚、サイドアウトはしない
これは基本中の基本。ハートレスデッキを組む上で最も重要なコンセプトです。もっともこのカード専用にデッキを組まなければ強いわけがないですし、中途半端が一番いけません。そしてもちろんクリーチャー主体の構成にしたいです。そうでなければ心なき召喚が腐りますし。
・タフネス1のクリーチャーは使わない
まずはハートレス状態で立っていられない、素の状態でタフネス1のクリーチャーは排除しましょう。今の環境でかろうじて使えるのは瞬唱の魔道士ぐらいです。本当にかろうじてですが。個人的にはないと思っています。
というのも、「クリーチャーとして戦場に出られること」はかなり重要だと思っているからです。アタッカーになり、ブロッカーになり、生け贄要因になりと、たとえ0/1でも立っている意味はかなりあるのです。いくら能力が強くても、この前提を守れないクリーチャーは基本使えません。正直前の環境のウラブラスクの僧侶もその意味で嫌いでした。ただし危険なマイアは除去ができる上に0マナで使えたので例外ですが。
・基本P/Tより能力で選ぶ
能力に基本影響がない、ということで、能力が強力なクリーチャーをチョイスしましょう。ただし冒涜の悪魔や慈善獣のような、極端にマナレシオの高いカードは使える可能性があります。
・なるべく無駄のないクリーチャーにする
例えば吸血鬼の夜鷲。こいつは確かに強いのですが、ハートレス状態では1マナしかコストが減らないうえに、せっかくの魂絆の恩恵を受けにくくなります。まあそれでも接死持ちなので働かないことはないのですが、なるべくならちゃんとコストが②減るクリーチャー、能力が腐らないクリーチャーを採用したいものです。
・張れなかった時を考えて構成する
心なき召喚が張れなかったときは、どうしても動きがもっさりとしてしまいます。ある程度は仕方ないのですが、心なき召喚に依存しすぎた構成では今日日のビートダウンに瞬殺されてしまいます。
そこで、2ターン目に張れなかったときのため、防御用の2・3マナクリーチャーや除去スペルを用意しておくのが良いと思います。まあ2マナは以前なら危険なマイアと呪文滑りという優秀なアーティファクト・クリーチャーがいたのですが、今は考えない方が良いです。3マナクリーチャーの理想はもちろんハートレス状態で立っていられる、無駄にならないクリーチャーというのが前提ですが、ハートレス状態でもそうでなくても使えるのが良いです。
スペルは基本軽量除去ですね。これはハートレスデッキが黒を混ぜる前提上、いろいろあると思います。後半でも使えるのでこの枠が多めになりますね。
…まあ心なき召喚に依存しまくった構成というのも楽しいですが、それでは安定した勝ちは難しいです。
⑤質問の回答
以上を踏まえて、もらった質問について回答しようと思います。まず質問のおさらい。
・ハートレスを青黒緑にする
どの色でも強いクリーチャーはいるので、色についてはいろいろ試してみるのが良いと思います。ただせっかくのクリーチャーが輝くハートレスなので、なるべくなら「使いたいスペルの色」でなくて「使いたいクリーチャーの色」で選びたいですね。
・索引、忌まわしい回収、ヘイヴングルの死者
索引は基本アド取れないカードなので、使うなら最低でも奇跡デッキだと思います。いかに思案が使えたか思い知らされますね。
忌まわしい回収は、屈葬の儀式やリッチさんを使う前提なら良いカードだと思います。どっちも使うとなるとデッキが4色になりますが…。
リッチさんは…正直メチャクチャ強いのですが、オリヴィアの比でないほどのマナ食い虫で、墓地にクリーチャーがないとただのバニラです。ただ能力が「唱えてもよい」なので心なき召喚と非常に相性が良いです。さらに相手の墓地のクリーチャーでもマナさえ払えばリアニできるのが恐ろしい…。なので依存した構成だと使いにくいですが、枚数を抑えて墓地肥やしのカードと使うのが良いです。
・回るかどうか
リッチさんが使えるカラーなのは良いところです。ただ上記のように、墓地とマナのおぜん立てが必要なので両方をカバーできる忌まわしい回収は非常に相性が良いです。また、緑が入ることで遥か見等のマナ加速(これはあまりお勧めではありませんが)、衰微や化膿といった優秀な軽量除去を入れられるので、ハートレスを引けなかったときも何とかなりそうです。
・血のやり取り、突然の衰微、霊異種、瞬唱の魔道士
まずは血のやり取りですが、正直あまりお勧めできません。というのも、ハートレスは重いクリーチャーが多いので意外にクリーチャーが並びにくく、自分も影響を受けやすいからです。そして血のやり取りが機能するような自軍にクリーチャーがいない場面では、大体打っても不利なことが多いです。いっそアドを取るなら全体除去とか軽い単体除去の方が使いやすいと思います。
突然の衰微は、まあ普通に強いですね。序盤を守らなければいけないハートレスにはうってつけのカードです。
霊異種は確かに5ターン目霊異種から速攻で勝負をつけに行くとか、ハートレスのおかげでマナを余らせやすいというところで相性がよく見えます。しかし3/4となってしまうことによって最大パワーが6までしか上げられない(普通なら8)のはかなり痛いところです。まあデメリットを受け入れても余りあるほど強いので、それが我慢できるなら採用しても良いとは思います。
瞬唱の魔道士は上で書いたとおり、あまりお勧めできません。それでも使うなら、墓地肥やし、リッチさんは必ずセットにしたいところです。
という訳で、ハートレスを引けなかったときは序盤を衰微や化膿といった優秀な除去でいなし、ハートレスを引いたら忌まわしい回収や禁忌の錬金術で墓地を肥やしてリッチさんをフル活用するというのが良いと思います。
あとは花崗岩の凝視とかも使えるかもしれません。マナコスト依存なので自軍のクリーチャーが死ににくく、相手だけ一方的な除去というのも可能かもしれません。重いのと、大体心なき召喚が割れる(メリットの時もありますが)というところに注意すればなかなか面白そうです。
⑥試作デッキ
自分なりの観点で組んでみた青黒緑ハートレスを載せておきます。3色の土地配分があまりわからないので適当になっていますが…。
〈試作型ハートレス〉
・土地 25
島 2
沼 2
森 2
繁殖池 4
湿った墓 4
草生した墓 4
内陸の湾口 2
水没した地下墓地 2
森林の墓地 3
・クリーチャー 20
瞬唱の魔道士 1
霧の海の船長 1
国境地帯のレインジャー 3
酸のスライム 4
スラーグ牙 4
ヘイヴングルの死者 2
霊異種 1
ディンローヴァの恐怖 2
前駆ミミック 2
・スペル 15
心なき召喚 4
忌まわしき回収 3
突然の衰微 3
禁忌の錬金術 1
化膿 3
花崗岩の凝視 1
なるべく質問者様の使いたいと言っていたカードは入れてあります。その上で前に自分が聞いたデッキも参考にしつつ、自分なりに組み上げました。
コンセプトとしては、ハートレスを張って3ターン目からいやらしいクリーチャーである酸のスライムやスラーグ牙を展開、次のターンにディンローヴァの恐怖も含め連打していき嫌がらせしながら勝ちます。死んだ?じゃあリッチさんで再利用しまーす!ハートレスが出ないときは、序盤を優秀除去やドローサポート、3マナクリーチャーでしのぎます!
必殺技は前駆ミミック!3ターン目酸スラorスラーグ、4ターン目前駆ミミックの動きは悶絶もの!
サイドはビート相手に夜帳の憑依者、飛行ビートに絹鎖の蜘蛛などが面白そうです!
⑦参考資料
過去のハートレス記事や記録です。参考になれば。
現在使っているハートレスデッキ
http://yamademon.diarynote.jp/201305162352488619/
以前のハートレスデッキ
http://yamademon.diarynote.jp/201210042134215030/
まとめ
http://yamademon.diarynote.jp/201208151449192078/
こんなところで大丈夫ですかね?ハートレスについての疑問、質問についていつでも受け付けていますので、お気軽にご相談ください!
構想段階なんですが、ハートレスを青黒緑にして《索引》とか《忌まわしい回収》《ヘイヴングルの死者》って回らずに終わりますでしょうか
《血のやりとり》とか《突然の衰微》《霊異種》《瞬唱の魔道士》を使いたいだけのカラーリングではあります
という訳でこの質問に答えると同時に、今回は久しぶりにハートレスについての記事を書こうと思います!
①心なき召喚を知る
まずハートレスの根幹カード、心なき召喚について。
心なき召喚 1黒
エンチャント
あなたが唱えるクリーチャー呪文は、それを唱えるためのコストが②少なくなる。
あなたがコントロールするクリーチャーは-1/-1の修正を受ける。
まあ効果については大体の方がご存じだとは思いますが。2マナという軽さで、クリーチャー呪文をどれだけ唱えても無色2マナのコストを減らしてくれるという驚異のエンチャントです!もちろん2マナアーティファクトクリーチャーなどは、0マナで唱えることが可能!
…まあそれだけといううまい話なんであるはずもなく、言うなれば「自分に死の支配の呪いを張った状態」になります。
かなりピーキーなカードなのですが、自分はこのカードにほれ込み、イニストラードが出てからすぐにこのカードを使った青黒ハートレスデッキ、「ハートレスヤマデーモン」を作ってミラディンの傷跡ブロックが落ちるまで使い続けました。
数々の大会で優勝して総合勝率7割超えを果たしただけでなく、WMCQベスト8という結果を残したり、SCGやCHANNEL FIREBALLで紹介されたりと、自分のオリジナルデッキとしては色々な記録を残しました。それだけにハートレスについては少しうるさいです…!
②心なき召喚のメリット・デメリット
心なき召喚のメリット・デメリットを簡潔にあげると、
メリット
・クリーチャーを単純計算で2ターン早く出せる
・クリーチャーそれぞれコストが減るので、連続展開しやすくなる
・早ければ2ターン目から置くことができる
・エンチャントなので割られにくい
・能力には基本影響がない
・2枚目以降も場合によっては腐らない
デメリット
・自軍クリーチャーが全部弱体化する
・↑によってタフ1クリーチャーがほとんど使えない
・デッキの構成が重くなりがちになり、構築が難しい
・張れるとき、張れないときの動きがかなり違う
・色マナは軽減できない
・後半や2枚目以降が腐りやすい
③メリット・デメリットの解説
それぞれ同じ数ぐらいありますが、解説を。まずメリット。
・クリーチャーを単純計算で2ターン早く出せる
・クリーチャーそれぞれコストが減るので、連続展開しやすくなる
これについては言わずもがな、ハートレスの特権ですね。3ターン目に5マナ、4ターン目に6マナ…とクリーチャーが出せるだけで普通に強いですし、3ターン目3マナと4マナなどと、分割して出すことでさらにコストが軽くなります。
うまく展開できた時のハートレスを止めるのは、正直普通のビートダウンを止めるのよりも難しいと思います。
・早ければ2ターン目から置くことができる
・エンチャントなので割られにくい
これも心なき召喚の強いところ。2ターン目という早いターンに置くことができるので隙が少なく、序盤からその恩恵を受けることができます。
そしてエンチャントなので対策してあったり万能除去カードがない限り割られにくいのもいいところです。
・能力には基本影響がない
これも強いところ。いい能力を持ったクリーチャーは一層輝きます。もちろん能力は強いけど重くて使いづらいクリーチャーも使いやすくなるので、クソカードが日の目を見るという面白いことも結構起こります。
・2枚目以降も場合によっては腐らない
デメリットには2枚目以降腐りやすいと書きましたが、禁断の2枚張りということもできます。その時はコスト ー④、P/T -2/-2修正!諸刃の剣です!さすがに3枚張りはターン奪われたときにしかやったことはありませんが。
次はデメリット。
・自軍クリーチャーが全部弱体化する
・↑によってタフ1クリーチャーがほとんど使えない
言わずもがな一番の難点。死の支配の呪いでも基本きついというのに、わざわざ自分から弱体化しに行く様はまさしく狂気の沙汰…!それによりクリーチャートークンを出すカードやP/Tに依存する能力(魂絆、トランプル、先制攻撃など)と相性が悪いです。
タフネス1のクリーチャーは無限マナエンジンのウラブラスクの僧侶、0マナ無色2点ダメージとなる危険なマイアなどの様なよっぽど使える能力を持っていないとほとんど使えない以前に場に出ることすらできません。マナクリや未練ある魂とかもってのほか。
・デッキの構成が重くなりがちになり、構築が難しい
・張れるとき、張れないときの動きがかなり違う
これもハートレスならでは。どうせ使うんだったら重くて強いクリーチャーを使いたいものですが、そればかりだともっさりしすぎてしまいます。そして張れたときは良くても、張れなかったときや割られたときに重いクリーチャーばかり手札にきて悶絶することも多々あります。
それなので、張れなかったときのことも考えてデッキ構築をする必要があり、頭を悩ませるところです。
・色マナは軽減できない
地味にきついです。強力なクリーチャーはシンボルが濃いことが多いので、無色マナが1マナしかなかったり無色マナ?なにそれおいしいのと言いそうな色マナだらけのクリーチャーは恩恵をあまり受けられないばかりか逆に使いにくくなります。
なぜ心なき召喚を出しておきながら、無色マナが必然的に少なくなる多色環境を次に出した…!
・後半や2枚目以降が腐りやすい
メリットでは2枚張りと書きましたが、よほど出したいクリーチャーがいなければやりませんし、さすがに-2/-2修正は厳しいものがあります。なので大体は場に出ていれば腐ります。また、後半十分マナが出て心なき召喚がいらないときにも腐ります。
④ハートレスデッキの組み方
そんなんだったらどうやってデッキ組めばいいんだコノヤロー!と言われそうなので、ハートレスデッキを組むときに考えることを紹介していきます。
・基本心なき召喚は4枚、サイドアウトはしない
これは基本中の基本。ハートレスデッキを組む上で最も重要なコンセプトです。もっともこのカード専用にデッキを組まなければ強いわけがないですし、中途半端が一番いけません。そしてもちろんクリーチャー主体の構成にしたいです。そうでなければ心なき召喚が腐りますし。
・タフネス1のクリーチャーは使わない
まずはハートレス状態で立っていられない、素の状態でタフネス1のクリーチャーは排除しましょう。今の環境でかろうじて使えるのは瞬唱の魔道士ぐらいです。本当にかろうじてですが。個人的にはないと思っています。
というのも、「クリーチャーとして戦場に出られること」はかなり重要だと思っているからです。アタッカーになり、ブロッカーになり、生け贄要因になりと、たとえ0/1でも立っている意味はかなりあるのです。いくら能力が強くても、この前提を守れないクリーチャーは基本使えません。正直前の環境のウラブラスクの僧侶もその意味で嫌いでした。ただし危険なマイアは除去ができる上に0マナで使えたので例外ですが。
・基本P/Tより能力で選ぶ
能力に基本影響がない、ということで、能力が強力なクリーチャーをチョイスしましょう。ただし冒涜の悪魔や慈善獣のような、極端にマナレシオの高いカードは使える可能性があります。
・なるべく無駄のないクリーチャーにする
例えば吸血鬼の夜鷲。こいつは確かに強いのですが、ハートレス状態では1マナしかコストが減らないうえに、せっかくの魂絆の恩恵を受けにくくなります。まあそれでも接死持ちなので働かないことはないのですが、なるべくならちゃんとコストが②減るクリーチャー、能力が腐らないクリーチャーを採用したいものです。
・張れなかった時を考えて構成する
心なき召喚が張れなかったときは、どうしても動きがもっさりとしてしまいます。ある程度は仕方ないのですが、心なき召喚に依存しすぎた構成では今日日のビートダウンに瞬殺されてしまいます。
そこで、2ターン目に張れなかったときのため、防御用の2・3マナクリーチャーや除去スペルを用意しておくのが良いと思います。まあ2マナは以前なら危険なマイアと呪文滑りという優秀なアーティファクト・クリーチャーがいたのですが、今は考えない方が良いです。3マナクリーチャーの理想はもちろんハートレス状態で立っていられる、無駄にならないクリーチャーというのが前提ですが、ハートレス状態でもそうでなくても使えるのが良いです。
スペルは基本軽量除去ですね。これはハートレスデッキが黒を混ぜる前提上、いろいろあると思います。後半でも使えるのでこの枠が多めになりますね。
…まあ心なき召喚に依存しまくった構成というのも楽しいですが、それでは安定した勝ちは難しいです。
⑤質問の回答
以上を踏まえて、もらった質問について回答しようと思います。まず質問のおさらい。
構想段階なんですが、ハートレスを青黒緑にして《索引》とか《忌まわしい回収》《ヘイヴングルの死者》って回らずに終わりますでしょうか
《血のやりとり》とか《突然の衰微》《霊異種》《瞬唱の魔道士》を使いたいだけのカラーリングではあります
・ハートレスを青黒緑にする
どの色でも強いクリーチャーはいるので、色についてはいろいろ試してみるのが良いと思います。ただせっかくのクリーチャーが輝くハートレスなので、なるべくなら「使いたいスペルの色」でなくて「使いたいクリーチャーの色」で選びたいですね。
・索引、忌まわしい回収、ヘイヴングルの死者
索引は基本アド取れないカードなので、使うなら最低でも奇跡デッキだと思います。いかに思案が使えたか思い知らされますね。
忌まわしい回収は、屈葬の儀式やリッチさんを使う前提なら良いカードだと思います。どっちも使うとなるとデッキが4色になりますが…。
リッチさんは…正直メチャクチャ強いのですが、オリヴィアの比でないほどのマナ食い虫で、墓地にクリーチャーがないとただのバニラです。ただ能力が「唱えてもよい」なので心なき召喚と非常に相性が良いです。さらに相手の墓地のクリーチャーでもマナさえ払えばリアニできるのが恐ろしい…。なので依存した構成だと使いにくいですが、枚数を抑えて墓地肥やしのカードと使うのが良いです。
・回るかどうか
リッチさんが使えるカラーなのは良いところです。ただ上記のように、墓地とマナのおぜん立てが必要なので両方をカバーできる忌まわしい回収は非常に相性が良いです。また、緑が入ることで遥か見等のマナ加速(これはあまりお勧めではありませんが)、衰微や化膿といった優秀な軽量除去を入れられるので、ハートレスを引けなかったときも何とかなりそうです。
・血のやり取り、突然の衰微、霊異種、瞬唱の魔道士
まずは血のやり取りですが、正直あまりお勧めできません。というのも、ハートレスは重いクリーチャーが多いので意外にクリーチャーが並びにくく、自分も影響を受けやすいからです。そして血のやり取りが機能するような自軍にクリーチャーがいない場面では、大体打っても不利なことが多いです。いっそアドを取るなら全体除去とか軽い単体除去の方が使いやすいと思います。
突然の衰微は、まあ普通に強いですね。序盤を守らなければいけないハートレスにはうってつけのカードです。
霊異種は確かに5ターン目霊異種から速攻で勝負をつけに行くとか、ハートレスのおかげでマナを余らせやすいというところで相性がよく見えます。しかし3/4となってしまうことによって最大パワーが6までしか上げられない(普通なら8)のはかなり痛いところです。まあデメリットを受け入れても余りあるほど強いので、それが我慢できるなら採用しても良いとは思います。
瞬唱の魔道士は上で書いたとおり、あまりお勧めできません。それでも使うなら、墓地肥やし、リッチさんは必ずセットにしたいところです。
という訳で、ハートレスを引けなかったときは序盤を衰微や化膿といった優秀な除去でいなし、ハートレスを引いたら忌まわしい回収や禁忌の錬金術で墓地を肥やしてリッチさんをフル活用するというのが良いと思います。
あとは花崗岩の凝視とかも使えるかもしれません。マナコスト依存なので自軍のクリーチャーが死ににくく、相手だけ一方的な除去というのも可能かもしれません。重いのと、大体心なき召喚が割れる(メリットの時もありますが)というところに注意すればなかなか面白そうです。
⑥試作デッキ
自分なりの観点で組んでみた青黒緑ハートレスを載せておきます。3色の土地配分があまりわからないので適当になっていますが…。
〈試作型ハートレス〉
・土地 25
島 2
沼 2
森 2
繁殖池 4
湿った墓 4
草生した墓 4
内陸の湾口 2
水没した地下墓地 2
森林の墓地 3
・クリーチャー 20
瞬唱の魔道士 1
霧の海の船長 1
国境地帯のレインジャー 3
酸のスライム 4
スラーグ牙 4
ヘイヴングルの死者 2
霊異種 1
ディンローヴァの恐怖 2
前駆ミミック 2
・スペル 15
心なき召喚 4
忌まわしき回収 3
突然の衰微 3
禁忌の錬金術 1
化膿 3
花崗岩の凝視 1
なるべく質問者様の使いたいと言っていたカードは入れてあります。その上で前に自分が聞いたデッキも参考にしつつ、自分なりに組み上げました。
コンセプトとしては、ハートレスを張って3ターン目からいやらしいクリーチャーである酸のスライムやスラーグ牙を展開、次のターンにディンローヴァの恐怖も含め連打していき嫌がらせしながら勝ちます。死んだ?じゃあリッチさんで再利用しまーす!ハートレスが出ないときは、序盤を優秀除去やドローサポート、3マナクリーチャーでしのぎます!
必殺技は前駆ミミック!3ターン目酸スラorスラーグ、4ターン目前駆ミミックの動きは悶絶もの!
サイドはビート相手に夜帳の憑依者、飛行ビートに絹鎖の蜘蛛などが面白そうです!
⑦参考資料
過去のハートレス記事や記録です。参考になれば。
現在使っているハートレスデッキ
http://yamademon.diarynote.jp/201305162352488619/
以前のハートレスデッキ
http://yamademon.diarynote.jp/201210042134215030/
まとめ
http://yamademon.diarynote.jp/201208151449192078/
こんなところで大丈夫ですかね?ハートレスについての疑問、質問についていつでも受け付けていますので、お気軽にご相談ください!
コメント
この日記が続いているのもハートレスのおかげといっても過言ではないですからね…。やっぱりWMCQはハートレスで出るべく調整していこうかと思います!
ハメパターンに入ると恐ろしいことになるデッキです…!酸スラだけでなく、地味にディンローヴァも擬似ランデスなのです…!
そして理論やデッキの仮組みまで…!(感動)
2コストから3コストの間に素敵なクリーチャーが見つからないのが痛いところですね
《安く出せることで能力がおいしい》生物の模索わ頑張ります!
ハートの記事を書いている山田さんはとても楽しそうでこれからも拝見&応援させてください
長文失礼いたしました、ランデスを名乗って、これでフライデー行ってみます
2マナは置いといて、3マナは各色1,2枚ぐらいですがなんとかいます!クリーチャー選びの楽しさはハートレスデッキの醍醐味です!
ついつい時間をかけてしまい、めっちゃ長文になってしまいましったが、お役にたてたようでよかったです!ぜひともデッキは使ってやってください!そしてよろしければまた結果や使用感などお聞かせください!
自分も一度ゴルガリハートレスを組んでみようかと思います。
緑はなかなかいいクリーチャーが多いので組みやすいです!
ハートレスは私の好きなデッキで、特にルーン傷や霜のタイタンがいたときのデッキは私のとても大好きなデッキでした。
シルバーバレット戦術が好きな私にルーン傷の悪魔を使えるデッキはとても楽しかったですし、ルーン傷→変形者連打、4ターン目青タイタン、からのおかわり若しくはコピーなどの爽快感などもそうですし、何よりデッキの完成度が素晴らしかったと思います(何様かという話ですが)。
ところで話は変わりますが、ハートレスの質問をさせて頂きたいのですが、モダンの構築はまだ為されているのでしょうか?
私もモダンで(実際の参入はまだ先ですが)ハートレスを使いたいと思っていて、死儀礼→ハートレス→青タイタンと、他に、ハートレスにヒバリ、影武者、爆破基地のコンボを組み込んだデッキなどを組みたいと思っています。
いずれもルーン傷とそのシルバーバレット戦術を組み込むスペースが見つかりませんし、何より自分の構築力ではファンデッキが良いところです。
いつかモダンのハートレスの記事を書いてもらったら失禁するかもしれませんww
ああは書きましたが、今すぐモダンのデッキが組める訳でなく、いつか書いてくれたら嬉しいくらいの気持ちでコメントさせていただいてしまいました。もしモダンのハートレスについての記事を催促してるように見えたのなら申し訳ございません。
モダンハートレスは考えてはいるのですが、前のデッキを引きずっていたり思案が使えなかったりで、作ったものの完成形とは呼び難いといった感じです。
とりあえずは熟考漂いや叫び大口などの想起クリーチャー(心なき召喚で想起コストも減ります)を使ってリッチさんで使い回す、といった要素は入れてあります。
また完成に近づいてきたら記事を書いていきますので、気長にお待ちください!